困難を糧に:家庭における「レジリエンス」の育み方

困難を糧に:家庭における「レジリエンス」の育み方

【奥田浩美ブログ】

レジリエンスとは

ここ5年ほどで「レジリエンス」という言葉を日本でよく聞くようになりました。
私はこの「レジリエンス」という概念が登場した時に、私がインド時代に身に着けた力を言語化してもらえた!!と、とても嬉しくなったのを覚えています。日本語で表現するのが非常に難しい「レジリエンス」ですが、「折れない心」という表現方法をされていることもあります。私自身、「レジリエンス」がとっても高いと自覚しています。

「レジリエンス」(resilience)は、一般的に「復元力、回復力、弾力」などと訳される言葉で、近年は特に「困難な状況にもかかわらず、しなやかに適応して生き延びる力」という心理学的な意味で使われるケースが増えています。 出典 人事労務用語辞典
さて、なぜこの言葉が今後のキーワードとなると考えているのかというと、これからの社会は、過去にないほど価値観の変化が速い時代になってゆき、困難に面すること無く人生を終えられる人は一人としていないと思えるからです。
過去の価値感や伝統やしきたりだけにしたがって”無難に”生きていくことはほぼ不可能だと私は思います。

高齢化社会による社会基盤の変化、グローバル化による社会の変化、家族のあり方の変化、男女のあり方の変化、技術革新によるインフラの変化。多くの困難が人々に襲いかかる時代がきます。そこで必要になるのが困難にぶち当たった時に対応する力です。

娘とレジリエンス

そんな中、今現在、娘の10代に身に着けさせようと思っているのがこの「レジリエンス」です。
どんなことが起きても「たおやかに・しなやかに」翌朝笑顔で立ち上がる力。
もっと具体的に言うと、失敗や挫折をしても、そこに向かっていったプロセスを糧に成長に変える回復力のあり方とでもいえばいいでしょうか。
例えば、娘に対して何かが起きたときは家族のあり方を以下のように明確にしています。
具体的には 「底打ち」→「過程評価」→「自分と周囲への感謝」→「バネへ」ということを明確にしているのです。
感情に流されやすいときだからこそ、プロセス重視です。

失敗・挫折・意に沿わぬ出来事(受験で不合格・失業・不幸etc) 

【底打ち】
・感情の底打ちを確認する(悲しんでも現実は変わらない!ことを意識)
・悪い感情の連鎖を防ぐ(特に家族間)

【過程評価】
・そこまでの挑戦の過程で得られた成果に目を向ける
・チャレンジした過程で得られた繋がりを認める

【感謝】
・ここまで立ち向かってきた自分を讃える
・そのプロセスに協力してくれた周囲・今見守ってくれる周囲に感謝

【バネへ】
たまたま今回はこういう困難があったけど、立ち上がってもっと先を目指そう。逆にそれをバネに成長しよう

というようなことを【意識的に】行うのです。
それを何度もやると意識的に行わなくても家族のあり方自体がそうなります。


実際、娘は10代後半にして、社会の当たり前のレールを疑い、沢山のことにチャレンジし、失敗し、転んでは立ち上がるようなことを続けています。
失敗するたびに何度も何度も本人も家族も心を痛めます。

でも、一晩寝て美味しいものを食べて、評価しあって、褒めあって、感謝しあって、上を見て家族でこう言うのです。
「次はもっと面白いことを目指そう、切り開こう!」
「いつかはピッタリなものに出会うはず!」
「今回のことは神様がたまたま望んでいなかったのかも!」と

レジリエンスは特殊な能力ではありません。

「自分を信じて心から応援してくれる人」 「自分の次を心から期待してくれる人」 その2つの条件のもとで、何度も何度も失敗・逆境を囲むこと

子供の失敗・逆境は成長のチャンスです。
子供だけでなく親にとっても。
がーーん!とショックを受けた瞬間に一呼吸置いて、サマーウォーズのおばあちゃんの一言を。

「いちばんいけないのはおなかがすいていることと、独りでいることだから」
「あんたなら出来る。出来るって。そうだよ。その意気だよ」
「家族同士で手を離さぬように、人生に負けないように、もし、辛い時や苦しい時があっても、いつもと変わらず、家族みんな揃って、ご飯を食べること」

まさに上の言葉はサマーウォーズのおばあちゃんの名言、先日のブログに書きましたね。

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