国際女性デーと熟キャバの話

国際女性デーと熟キャバの話

【奥田浩美ブログ】

熟キャバ??

先日、国際女性デーを祝して、日経ウーマンの私の記事を投稿しましたが、そんな日に、ふと先日「熟キャバ」に連れて行かれたことを思い出しました。
先日、成功した起業家だけどなんか愛らしいO冨さん(仮名)に誘われて4人で会食したのですが、二次会に赤坂の「熟キャバ」に連れて行かれたんですよね。
熟キャバ? はい、熟女キャバクラです。
熟キャバを知らない人に説明すると、熟女が応対するキャバクラですが、お店によって年齢層が異なり、先日連れて行かれたお店は28歳から40歳手前だといってました。

O冨くん(仮名)!
彼なりのサプライズと接待である「熟キャバ」ですが、そこで面白いことに気付かされました。

かつて経験した被害者と加害者の世界

お店のママの写真ではないよ!私です(笑)
日経ウーマンの記事はこちらから

25歳からいわゆる広告代理店が中心となる業界で男性と同じように仕事をしていたので、過去に何回かクラブやキャバクラの類のお店に連れてこられたことがあります。
もはや一部は#Metooとしても捉えられるのかもしれませんが、男女雇用機会均等法直後の女性たちの一部、特に幹部女性は男性と同様の行動を期待されて、取引先の男性たちと一緒にキャバクラとか行ったりすることもあったわけです。
で、そこにいる女性たちと一緒に騒ぐことをなんとなく強要されるというか。
その頃の私達の姿勢、今も思い出したくないけれど
“ああ、私は貴女たちと違うのよ。こんなに男性たちに認められて男性と同じようにお金を使う側にいるの”
みたいな感情を抱きながら、表面はキャッキャッと楽しんでいるわけです。もう30年近くも前の話。そして時折、接待に同行させられた女性の一部はお店の女性と同じような対応を求められます。なぜか私はちょっと怖がられる役職にいたので、そういうことに巻き込まれなかったのですが、自分がそういうことをされなくても、それを見るという立場に置かれます。
企業の中で女性がポジションを得ると、それまではセクハラの被害を受ける側だったのが、セクハラを受けている誰かを見てしまう状態になってしまう場合があります。また、それを見過ごしてしまうこともあります。そうです加害者の側です。被害者と加害者が自分の中に同居。そういう話はちょうど国際女性デーの日経ウーマンの記事に掲載されているので、そちらを見ていただくとして。

さて、熟キャバです。
結論を言うと楽しかったのです!!

本音と緩さと進化の世界

お店に入って気づいたことがあります。お客さんがまったく前のめりじゃないんです。なんか緩いというか。昔連れて行かれたキャバクラは若い女性たちも必死にキラキラしていたし、お金を払っているはずの男性たちも必死にくどいたり、必死に笑いをとったり、とにかく何故お金を払ってまでこんなに「必死」なんだろうかと。
熟キャバはなんというか、女性たちも
「まあ、私たちは若さもないしーー」
「まあ、容姿もそこそこだしーー」
といいつつ、本音いっぱいで明るい。隣に座った女性に聞いてみても、「まあ、仕事だから大変なこともありますけど、以前のお店より楽なんですよね。本音言えるところが」
男性も、なんかだらーーっとしている感じ。
そして、ほとんどの会話に「まあ、、」という言葉が入る緩さ。そういう不完全な感じがここに求められるんだろうなーーと。
そういえば、昔、私が連れて行かれたキャバクラでは、こういう夜の女性たちを見下しちゃいけないとか(そう思う時点で想いが複雑になって頭がぐるぐるしちゃう)、この若いお姉さんに話題を提供しなきゃとか、連れてきた男性への憎悪をどうしようか…とか、必死で考えていたんですけどね。

たくましく日々を送りながら次を考えよう

意に沿わない形で仕事を選んだ人もいるでしょう。仕事として大変なこともあるでしょう。
逆にこのブログを読んで、女性たちのもてなしを時間で買うなんて、キッーーとか言う女性もいるでしょう。年齢で分けるなんてーーとか。いろんな女性がいますが、みなたくましく進化しています。
「女性の若さ」みたいな属性を一つ外すだけでこれだけ進化するわけです。男性と女性が近しくなる。果たしてどの形が世界的に「正しい」のかわかりませんが、形態を変えながら女性たちもたくましく、男性たちも本音を出しながら弱さを出しながら、変化・進化しているのでしょう。お店の人々も、お客さんも人間らしさがいっぱいつまって、なんかただ緩く過ごす時間。単純に楽しい。楽しくてもいいじゃない。逆にみんなが精一杯生きている背景が見えるような場でした。
たくましく日々を送りながら、笑おう。

ちなみに、写真を加工して覆面化すると真ん中の女性がキャストのようですが、真ん中は私と友人です(笑)
右が連れてきてくれたO冨さん(仮名)、左は秘密。(どこにいてもさわやか)

熟キャバは国際女性デーという「意識の高い」日に「意識を広く」する場でした。
ありがとうO冨くん(仮名)。

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