立ち止まることはマイナスじゃない。未来の「一つ前の点」だ。

立ち止まることはマイナスじゃない。未来の「一つ前の点」だ。

【奥田浩美ブログ】

母の白内障手術


今日、母の白内障手術が無事終わりました。緑内障後の白内障なので眼圧が高かったりで、いろいろトラブルは抱えていますが、命に別状はないので、まずは一段落。
今回は、妹が帰省して立ち会ってくれましたが、手術の立会いのついでに大学同期でも集まったそうで、懐かしい思い出が蘇りました。

妹は今は私の会社で働いていて、多くの事務局業務をこなしてくれています。
その妹、10代ー20代はとても心配をかける存在で、慶應の看護学部に入学したかと思ったら1ヶ月で鹿児島に帰ってきて中退。鹿児島大学に入り直したかと思ったら、卒業間近に卵巣がんになり、1年を闘病して過ごしました。

その妹が昨日Facebookに書いていた内容を見て泣きそうになりました。

大学ゼミ仲間&恩師と久々の再会。先生を含めての集まりは実に20数年ぶり。
先生の変わらぬお姿と、変わらぬマシンガントークに感動!
思い起こせば、卒業間近に大病を患い、決まっていた就職も一旦白紙に戻した私。
卒論のプレゼンまでは終わらせたものの、入院・手術のため製本しての卒論提出には手をつけられず、代わって全部仕上げてくれたのがこの仲間。私が卒業できたのはみんなのおかげ。卒業式は病院から外出許可を貰って出席しました。
みんな、本当にありがとう!

大学卒業時に癌を患った妹

22歳で卵巣がん。
卵巣が赤ちゃんの頭くらいになっていたのに発見が遅れました。
母は遠方にいて、私はちょうど東京で働き始めて半年の頃。近くに誰もいなかったことを、とても悔やみました。
妹の大学4年生の卒業は、Facebookに書いてあったように、周囲の友人がすべて仕上げて製本してくれて、先生に頼んでもらい卒業を迎えたそうです。
妹も周囲の力があって今があります。

そして、半年にわたる抗がん剤治療が続きました。
それでも、卒業時の就職は棒に振ったものの、1年の闘病後に航空会社に就職し、それが縁で農水省の検疫官だった彼と出会い、今に至っています。
その彼も子供が出来なくてもいいと言ってくれて結婚し、その後最初の子供の妊娠がわかったときには家族全員泣きました。そして、二人目の妊娠。
とても優秀な姪っ子たちが生まれてきたのも、すべてこの縁からです。
そして、何より私が自分の子供を持とうと思ったのも、この妹の「子供を授かることへの執念」のような思いがあったからだと思います。
妹のそんな姿を見ていなければ、私はきっと娘を授かることはなかったかもしれません。
そう考えると多くの出来事の分岐点です。

先に開ける運命の「一つ前の点」

意に沿わぬ出来事も、不幸な出来事も、これから起きる出来事の一つ前の「点」かもしれません。
病気はできれば避けたい出来事ですが、その点がなければなかった未来を創れる分岐点です。

立ち止まること、前進しないことを良しとしない教育をうけてきた私達にとって、病気を始めとする意に沿わぬ出来事はマイナスと思いがちですが、それはマイナスではなく、先に開ける運命の「一つ前の点」なんだと妹を見ていて思います。

誰も病気にはなりたくない。
そんな「点」なんかいらない。
でも、そんな「点」で立ち止まるしかなくなったら、周囲が全力で未来を共に作ろう。
病で立ち止まっているみんなの未来に幸あれ。

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