私達母娘の選択に影響を与えたデンマークの高校(後編)

私達母娘の選択に影響を与えたデンマークの高校(後編)

【奥田浩美ブログ】

デンマークの教育の悩み

前編で、デンマークの教育が本人の意志を尊重するということを書きました。
後編は引き続き、コペンハーゲンの高等学校(ギムナジウム)視察時の校長先生・教頭先生との会話をお届けします。

その子が何をしたいかを社会が共に考えるのが教育


日本側:「デンマークの教育は素晴らしいと感じることばかりですが、問題点はなんでしょう」

校長先生:「落ちこぼれたり、問題があったりする生徒に寄り添いすぎて、学習能力の高い子へのサポートが弱くなります。それと、自分に合った進路を見つけるまで何度でも学校を変えたり、職業体験したり、チャレンジできるので、若い人たちがなかなかすんなりと社会にでてくれません。チャレンジがいくらでも出来るのが問題かもしれません。」

日本側:「なかなか社会人にならないということですか?」

校長先生:「はい、その子が何をしたいかを社会が共に考えるのが教育なので、一人ひとりに寄り添うと本当に時間がかかります。それが悩みです。」

(チャレンジしすぎ、自由がありすぎ、これが、悩みなのか・・・。)

日本側:「日本ではあまりに一直線に横並びで子供たちがすすんでいき、そこを一歩でも外れると道を閉ざされるのが悩みなんですよ」

教育とは一体何なのだろうか。
先生も生徒も悩みながら寄り添っていく。
そういう時間を共に過ごすことが教育なのではないか。

そう思えるデンマーク視察でした。

でも、一方でここまで「自己決定」を促す社会の厳しさを感じたのも事実です。
自分の道を選ぶまで社会に出られない。
「幸せ」の追求にはここまで徹底した「自己決定」が必要だと感じました。

「私達母娘の選択に影響を与えたデンマークの高校(前編)はこちらから」


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