私達母娘の選択に影響を与えたデンマークの高校(前編)

私達母娘の選択に影響を与えたデンマークの高校(前編)

【奥田浩美ブログ】

デンマーク視察で見たもの


ちょうど1年前のことです。
受験に向かっていく娘がこう言いました。
「立ち止まって自分の進路を考えたい」と。
驚きましたが、奇しくもその直前に、私はそれを予感するような場を訪れていたのです。それがデンマーク視察でした。

昨年、介護施設でのロボット利用状況などを知りたくて、突如デンマークに飛んだことがありました。介護施設での気づきはもちろん沢山あり、それは別途ブログにしたいと思いますが、同時に訪れた教育機関でも驚くべき状況を目にしました。

デンマークのキーワード:自己決定ー教育の現場ー

コペンハーゲンの高等学校(ギムナジウム)を視察して、校長先生・教頭先生と1時間以上の会議を持ちました。
ØrestadGymnasiumという高校です。

そこで一番驚いた先生方との会話の一部です。
私たちはIT利用が進んでいる北欧の状況を知りたくておこなった質問だったのですが。

日本人視察側「こちらの学校では様々な教材がgoogle等のファイルで共有されていると伺いましたが、保護者とどのように進度や進路の状況をシェアしているのですか?保護者間でもITとか利用されてますか?」

校長先生:「一人前の大人としての”自己決定”を尊重することが一番大切ですから、保護者に連絡すること自体が法律で禁止されています。自分の人生をどう切り拓くか、何がやりたいか、本人の意志をひたすら尊重するのです。教育は子供たちそれぞれが、どういう職業につきたいか、どういう生き方をしたいかに寄り添い、進む先を見出していく場所です。」

保護者に連絡が禁止?
まさに驚きました。
自分の人生をどう切り拓くか、何がやりたいか、本人の意志をひたすら尊重
教育とは、どういう生き方をしたいかに寄り添い、進む先を見出していく場所だと。

まさに、今の娘の置かれている環境だと思います。

写真は学校の教室の様子です。
伝統的なクラスルーム形式を完全に排除した革新的な建築で知られています。建物は、さまざまな学習環境が作れるように、使用方法がフィックスしておらず、柔軟に使用することを目的として、使う人によって異なる利用方法が生み出されるような作りです。
教室も数種類の形態があります。いわゆるクラスルームのような形式、カフェのような形式、ゴロゴロしながら勉強する場所、10種類くらいの空間から先生・生徒が選んで勉強の場にします。
まさに、建物自体がコミュニケーションを促進するような作りになっています。すべての活動がすべての人に見えるオープンスペースで構成されており、先生もすべてさらされているような環境です。

「あなたはどこで勉強したい?」
教室一つ一つすべてがこの国では選択の連続なんですよね。

もう娘を自由にしよう

そんな1年前のデンマーク視察をふと思い出しました。

娘は18歳。
今は無限の可能性に苦しむかもしれないけれど、すべて選択して生きていけ。

親の愛は支配になるから、もう娘を自由にしよう。

ーーーーーーー デンマーク視察シリーズの他のブログもぜひともお読みください。

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