「逃げたから今がある」とにかく前に逃げよう
【奥田浩美ブログ】
逃げるって悪いことじゃない
2年前のインタビュー記事を再び目にしました。
28歳の女性たちに向けてのメッセージです。
全文はこちらで読んでいただくとして、この記事を読みながら先日Facebookに書いている産後の苦しかった生活のことを思い出しました。
Facebookに書いた内容はこうです。
18年前のことです。出産後
・会社のメンバーだと仕事の内容についていけなくて落ち込み
・出産ママ友だと同じ月齢の子を比べて落ち込み
・子供の居ない友人の集まりが楽しそうで落ち込み
・仕事の世界からいきなりベビー中心で、「私」が居なくなるようで落ち込み
ま・さ・か・の、私ですらそんなことがありました。
出産当時、夫はサラリーマンで日中はワンオペで
「子育てより仕事のほうがずっとずっと楽!部下は言葉かお金か権威があれば動くのに、この子はどうにもならない!」と夫に切れてw(今ならそんなことは言わないわーーw)、夫は帰宅後ずっと娘の面倒。
勿論、子育ては本当に楽しかったし、こんな子供を抱きしめられる生活が愛おしかったんです。
でも時々現れるなんともいえない感情。仕事に対する焦りとかもあったんですよね、18年前の社会ですから。
ちょっと思い出しました。
で、無性に赤ちゃんを抱きしめたくなりました。
この書き込みに「奥田さんでもそうだったんだ!」みたいなコメントがたくさんつきました。
「前に逃げる」という概念
さて、その時代に私はどういう発想・行動をとったかが先のインタビューに書かれていました。
結論、「逃げる」です。
インタビューから抜粋すると、
2000年に長女を出産したことが、次の大きな転機になりました。子育てと仕事の両立を図ろうにも、仕事があまりに多忙で、やりきれないことも多くでてくるように。悩んだ末、設立から10年かけて拡大してきた会社を辞め、子育てと両立できる範囲で取り組める小さな会社を立ち上げることにしました。それが株式会社ウィズグループです。
正直に言えば、パンク寸前の状況からに逃げ出したかったというのが当時の本心です。逃げること自体は悪いことではないと私は考えています。その代わり、自分で自分の選択に対して、前向きでカッコいい理由を与えることが大切。それによって「前に逃げる」ことになるからです。そのときも、考えて考えて、こんなプラスの言葉に転換しました。「娘を育てることと会社を育てることを同じ速度で考えていけるような会社にしよう」「ITの技術で、自分の生活を変え、さらに社会を働きやすくしよう」。それが新しい会社のビジョンにつながりました。
すごい前向きですよね(笑)
でも、それは後からストーリー化しているからで、その瞬間はこのブログの前半に書いたような、落ち込み・辛さ・やるせなさでいっぱいで、とにかく逃げたかったのです。
一人での育児から逃げたい・・・だから夫や周囲を巻き込もう。
比較するママ友から逃げたい・・・前向きなコミュニティーを作ろう。
職場から逃げたい・・・育児しながら働ける環境を作ろう。
結果的にその先を考え続けながら逃げたら起業に繋がった。
というストーリーだけ見るとかっこいいですが、その瞬間はただ逃げたのです。「逃げる」というのは一つの行動です。ですから動くことが大事で、行き先や方法は逃げながら考えればいい。まずは現状を破壊。
以前書いたブログの「破壊が先」という概念に近いかもしれません。
未来、なにかが起きるかもしれないと信じて逃げる
「前に逃げる」とはどういう意味でしょう。
私にとっての「前に」とは未来です。
未来、なにかが起きるかもしれないと信じて逃げるのが「前に逃げる」というイメージでいます。もちろん逃げる瞬間はなんだっていいのです。途中で投げ出すことになろうが、周囲をがっかりさせることがあろうが。
「未来に何かが繋がるから、この状態からは逃げよう」と思って逃げても、前を向いて選択し続けている限り、頑張った自分の過去は全てストーリーとなります。
だいたいのNHKの朝ドラだって、途中で挫折したり失敗したことがストーリーとなってるわけで、ストーリーは後から生まれるのです。
逃げても大丈夫。
ただ、逃げるときは自分の未来を信じよう。
何もせずに受け入れることよりも、逃げるほうが未来を創ることがあります。
さて、次は「NHKの朝ドラの主人公のつもりで生きている」というようなことを書きたいと思います。
それでは。
Hiromi OKUDA (Hiromi KAWASAKI)
正直に言えば、パンク寸前の状況からに逃げ出したかったというのが当時の本心です。逃げること自体は悪いことではないと私は考えています。その代わり、自分で自分の選択に対して、前向きでカッコいい理由を与えることが大切。それによって「前に逃げる」ことになるからです。そのときも、考えて考えて、こんなプラスの言葉に転換しました。「娘を育てることと会社を育てることを同じ速度で考えていけるような会社にしよう」「ITの技術で、自分の生活を変え、さらに社会を働きやすくしよう」。それが新しい会社のビジョンにつながりました。